平方完成 ― グラフの頂点を式から読み取る

mathquadratic

はじめに

二次関数のグラフを描こうとするとき、「頂点がどこか」さえ分かればあとは見通しが立ちます。平方完成は、式を変形して頂点を直接読み取るための方法です。

変形のしかた: x2+bxx^2 + bx の形

まず基本の形から始めます。xx の係数 bb に対して、次の変形が常に成り立つのがポイントです。

x2+bx=(x+b2)2b24x^2 + bx = \left(x + \frac{b}{2}\right)^2 - \frac{b^2}{4}

なぜこうなるのか、右辺を展開して確かめてみます。

(x+b2)2b24=x2+bx+b24b24=x2+bx\left(x + \frac{b}{2}\right)^2 - \frac{b^2}{4} = x^2 + bx + \frac{b^2}{4} - \frac{b^2}{4} = x^2 + bx

展開すると b24\frac{b^2}{4} がちょうど打ち消し合って、元の式に戻りました。つまりこの変形は「足して引いているだけ」なので、等価な変換になっています。

例題: y=x24x+1y = x^2 - 4x + 1

実際に変形してみましょう。xx の項だけをまとめてから変形します。

y=x24x+1=(x24x)+1=(x2)24+1=(x2)23\begin{aligned} y &= x^2 - 4x + 1 \\ &= (x^2 - 4x) + 1 \\ &= (x - 2)^2 - 4 + 1 \\ &= (x - 2)^2 - 3 \end{aligned}

(x2)2(x-2)^2 は 0 以上なので、グラフは下に凸で、x=2x = 2 のとき最小値 3-3 をとります。頂点は (2, 3)(2,\ -3) です。

途中の 4+1-4 + 1 のところ、「4-4 はどこから来た?」となりやすいのですが、(x+42)2\left(x+\frac{-4}{2}\right)^2 を展開したときに余る (4)24=4\frac{(-4)^2}{4} = 4 を後から引いている、と考えると整理しやすいと思います。

一般化: ax2+bx+cax^2 + bx + c(a0a \neq 0)

x2x^2 の係数が 11 でない場合は、先に aa でくくります。

ax2+bx+c=a(x+b2a)2+(cb24a)ax^2 + bx + c = a\left(x + \frac{b}{2a}\right)^2 + \left(c - \frac{b^2}{4a}\right)

こちらも展開して戻ることを確かめることができます。頂点の座標は

(b2a, cb24a)\left(-\frac{b}{2a},\ c - \frac{b^2}{4a}\right)

です。暗記するより、「aa でくくってから同じ手順」と覚えるほうが失敗が少ないはずです。

要確認: a<0a < 0(上に凸)の場合の最大値の扱いや、判別式 b24acb^2 - 4ac との関係は別記事で整理したいです。複素数の範囲まで拡張したときの頂点の意味づけについては、私自身の理解がまだ不十分なのでここでは触れません。

まとめ